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沖縄の生んだ脚本家「金城哲夫」氏の作品とその履歴を研究する会です~杉本一夫(2012年から)


by watanabe-toyonobu

「ウルトラマン」雑感

 ここでは、あまり細かい内容にはふれないように、と思っていたが、
TV局の最近のバラエティ番組のあり方に疑問を感じたので、
ごく一部だが自分の「ウルトラマン」雑感を出してみる。
先ず、最近は円谷プロ作品以外の金城の調査で、色んな面が分ってきたが、
初期はお話を面白くする為に沖縄や沖縄口を使用したが、金城は円谷英二
監修作品をまとめるために、やはりエンターティンメントの作品作りに徹して
いた。だから、灘と共同プロデュースした「沖縄物語」の際と同様、
企画、シノプシス作成、脚本発注、エキストラ(ウチトラ)出演、
自らの脚本執筆、現場への日参、広報など、プロデューサーとしての力量を
ふるった。確かに途中から怪獣退治の専門家のイメージを脱したい気持ちもあり、
それがMJに繋がっていったのであると推測するが、「ウルトラQ」で対象が
子供と据えて、だからといって第二期以降のようなナレーションが矢鱈と多い
ものではない真に子供も納得出来る作品作りをしていた。
 また、他作家用のサンプルストーリーも上原や山田と共に作成。
 金城も数多のサンプルストーリーを書いた。
 有名なのは藤川作品「ミイラの叫び」宮田作品「宇宙から来た暴れん坊」など。
これらのシノプシスは金城だった記憶である。出典を失念したが、「宇宙船」か
「ファンタスティックコレクション」だったような気もする。
成田のデザインにカラータイマーをつけたのも金城だが、これは池田憲章氏が
徳島で講演した際にもふれられていたし、「ウルトラマン伝説展・福島版パンフ」
にも書かれていた。以前、筆者も書いたが、「万能宇宙人」でなく、「弱点」
を金城は設定したのだと思う。これは満田の語る「特撮は3分間」の発想ではなく、
(実際、それもあるのであろうが)弱点を加味した方が、物語に緊迫感を齎し、
マンネリ化をふせごうと最初から考えていたように思われる。セブンの弱点も
25話で書いている。ビームランプをカラータイマー的にした。
「ウルトラセブン雑考」でも書いたが(校正が必要な駄文であったが)、金城
は「マン」でもウロボロスのように途中さしかえ可能なようにしながら、
1話と最終話を円環をなすように書いて締めくくっている。
 金城のウルトラ作品はそれぞれが独立しているのだ(註1)。
 
 さて1話の内容は「ヒドゥン」の原案に類似するが、金城の企画は上原も語って
いるように、「宇宙から来た正義の巨大(「ナショナルキッド」などのように
等身大でなく)なヒーロー」を生み出した事にある。後続のシリーズはここから
脱することが出来ていない。寧ろ金城自身で「セブン」を等身大にもなれる巨大
ヒーローとして生み出した。常に面白さを追求することに挑戦した。
いつも言うようだが、スペシウムの命名は飯島監督であり、金城は飯島監督には
信頼をよせていた。それは金城は「Q」から飯島と知り合ったのではなく、
「金城哲夫再び」のパンフに飯島監督に寄稿していただいた「太陽の笑顔」に
書かれてあるように、「月曜日の男」の頃から出入りしていた時点にまで遡る。
1話や他作家発注など多忙な時、飯島監督は先行して作品を作っていった。

 脱線が多く纏まっていないが、金城はノベライズでは他の作家が書いた作品を
題材にしている。ということは、他の作家の作品を否定していなかった事だ。
これは、放映当時のノベライズや絵物語で立証されており、その一部は
ちくま文庫「小説ウルトラマン」でも確認出来る。
佐藤代表に見せて頂いた絵物語でも他作家の作品を金城が手を入れていた。

 現時点で言いたいのは、金城は佐々木守の言うように、一脚本家でなく、
「偉大なプロデューサー」として「ウルトラマン」を支えた事であろう。
その為、視聴者の目をブラウン管にくぎづけにするため、色々なバリエーション
の話を組み立てた。そういった視点で「禁じられた言葉」や「さらばウルトラマン」
をみてもらいたい。

「ウルトラマン」を語るにはその点をDVDでも良いから数回みてから論じて
頂きたい。
 杉本氏のいうゾフィーがゼットンを操る宇宙人からM78星雲の宇宙警備隊の隊員と
なったのは、ハヤタに命を与える為の伏線=これもお話を更に面白くさせる事に
なった=からの大転換である。当時、大人向け週刊誌でギリギリ迄ゾフィーは今でいう
ゼットン星人の筈であった。

寝ぼけて思いつく儘に書いているので、纏まっていない。
だから踏襲しないで欲しい。いつか「セブン雑考」、「ルート87」、そして今回
の雑記をきちんと書き直してみるが、現在は「かぐや姫」と「港のハル」を
どうまとめていくか、そして何回関東・中部を調べても「沖縄物語」が放映されたか
確認出来ないので、スランプに陥っている。
(文中・一部敬称略:てふてふはべる記)

>尚、念押すが、書いているうちに要点がずれていっている。
これは本日、「格納」してあった未だ推敲しないで書いた文、
そのままである。
>先週の水曜日、某テレビ東京系の番組で懐かしい「ティガ」を観た。
3話ではキリエル人は、「お前が地球にやってくるより前から云々」
と言っているし、イルマ隊長も「どこから来たのか調べています」
と告げている。この右田、小中の初期設定が早く決着すれば、
もっと早くウルトラ兄弟の競演が出来たであろう、、
このラインでいけば、「宇宙から来た」ということになり、
「石像」で、所謂初代といわれるウルトラマンとも関係ができやすくなるかも、、
誤解があるといけないが、金城ウルトラも好きだし、第二期以降も嫌いではない、、、


>ざんぶろんぞ様の日記にある「Pen」も書店に届きました、、、、
註1)「金城氏のウルトラ」とは、「ウルトラQ」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」
をさし、それぞれが、関係持ちながらも独立した作品群になっている。
例えば、Qのラゴンがマンに登場したり、Qのチルソナイトがセブンにも出てきたりは
するが、それぞれ独立させても納得出来る作りになっている。
上原氏もセブンのスパイナーを帰ってきた…でも使用しており、ファンをニンマリ
させる。Penの良かった点の補足だが、我々には嬉しい「ぬいぐるみ」表現は良い。
スーツアクターとか見栄を切るウルトラマンというのはどうも・・・。
マンとセブン、帰ってきた、では良かったが、初代マンは一生懸命戦っているという
姿勢が映像で感じられる。セブンはあのスタイルで良いし・・・。
これくらいにしてまた本音は封印です。

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「ウルトラマン」雑感_f0226161_15313288.jpg

今回はお料理ではなく、金城哲夫資料館です。
©金城哲夫資料館、松風苑
by watanabe-toyonobu | 2011-08-16 20:50 | 金城哲夫