沖縄の生んだ脚本家「金城哲夫」氏の作品とその履歴を研究する会です~杉本一夫(2012年から)


by watanabe-toyonobu

金城哲夫作品 紹介

作品紹介
近鉄金曜劇場『こんなに愛して』を、創刊号より、担当者同意の上、一部修正して転載する(敬称略)。
                                      

ストーリー)
東京都にある典型的な団地。ここに住む大介(演・大坂志郎)、ヤッコ(演・ペギー葉山)夫婦は、団地族としては規格はずれであり、ヤッコは家事はからきしダメだが、陽気で親切、団地の子供たちに菓子や果物を買って与えて一緒に遊んでいる。マネキン工場に働く大介も電車の中で美しい手を見つけると撫でまわすという仕事熱心でしかも変わり者。そんな夫婦を団地族が嫌うようになり、ヤッコが子供たちと遊んでいると親がとんできて連れ戻すようになったのだ。規格品的な現代のワクからはみだした夫婦の哀歌をスケッチ風に描くものである。(朝日新聞より)

ポイント解説)
東京の赤羽台団地で撮影したオール・ロケ作品。主役のペギー葉山はNET「判決」出演以来の二度目のテレビドラマ主演。他の出演者は、小笠原章二郎、花岡菊、渡辺康子、坊屋三郎、梅津栄ほか。
朝日新聞より)

金城哲夫のテレビドラマのオリジナル脚本第一作として語られてきた「こんなに愛して」であるが、従来は1963年2月放送とされてきた。筆者も過去のデータを踏襲して印刷物を作成してきたが、1963年2月の名古屋・東海地区の新聞では発見出来なかった。マイクロフィルムは見逃す事も多い。
 この度金城の沖縄における作品『吉屋チルー物語』『沖縄物語』の検証作業の為、改めて東海地区だけでなく、関東地区(深夜放送枠も含めて毎日の)テレビ欄を精査してきた。f0226161_11315646.jpgこの1963年というのは『沖縄物語』や『吉屋チルー物語』の完成年度を知る上で重要になってくる。
 従来、全国ネット作品としての金城のオリジナルドラマ第一作は『こんなに愛して』となっており、数多の報文でもそれが踏襲された形となっている。それによって金城作品の分析は異なってくる。
 
 が、更に『月曜日の男』を調べる事、深夜に放送したであろう『沖縄物語』を調べる過程で『こんなに愛して』の放映日が1964年2月28日と確定出来た。円谷特技プロの会社としての登録は1963年の4月であるから、金城はその頃は、上原正三氏の記憶通り、1963年の初頭は『吉屋…』の仕上げ、初夏から晩秋にかけて『沖縄物語』の撮影の為に沖縄の長期滞在、そして仕上げに秋には東京へ。同年の7月の新聞記事に『太平洋ひとりぼっち』の撮影が開始された。こちらは円谷特技プロの特撮班の仕事である。
そうなると、金城の初実質のオリジナルドラマ(『絆;1962』は脚色であるため)は、『沖縄物語』を除いて従来の『こんなに愛して』ではなく、『月曜日の男』「ペン先のレクイエム」という可能性が高くなる。
 
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by watanabe-toyonobu | 2010-06-19 11:32 | 金城哲夫